時おり光に照らされて世界の果てに
黒い帆を巻き上げた幽霊船が顔を出す
毎晩のように彼女は岸辺に立ち
以前に見知った恋人を夢にみていた
寄せては返す幾多の波は
男のあり方に思いを巡らせない
スペインの女王から船を略奪するため
私たちは西の海原に帆をあげた
彼女は海賊の花嫁になるだろう
彼の腰に剣と銃を携えさせて
寄せては返す幾多の波は
男のあり方を気にはしない
三隻の船にスペインの黄金を積み上げて
ふたたび彼女に会いにいこう
五尋の深さに横たわる私の恋人は
瞳に黄金を宿して木製の棺の中
栄光と自尊心はどこにあるの
海賊の花嫁はどんなことに喜べばいいの
寄せては返す幾多の波は
男のあり方を気にはしない
光が射し込むこの世界の果てで
黒い帆を巻き上げた船を待っていた
毎日のように彼は岸辺に立ち
かつての二人の人生を夢に見ていた
寄せては返す幾多の波は
男のあり方を気にはしない
三隻の船にスペインの黄金を積み上げて
ふたたび彼女に会いにいこう